火災警報誤報でエレベーター停止!管理会社と連絡不能な時の仮復旧手順は?

ある日突然鳴り響く火災警報!

こりゃ大変だ!と現場を確認するも異常なし。

どうやら火災ではなかったようです、良かったよかった。

しかしなぜかエレベーターは止まってるし、火災警報のベルも定期的に鳴り響き、そのたびにリセットボタンを押さなければなりません。

通常であれば管理会社へ連絡して修理してもらうところですが、なんとお盆休みで連絡がつかない・・。

それならばとエレベーター会社へ連絡を入れますが、エレベーターは火災警報と連動して休止させる機能が働いているため動かす事ができないとの回答が。火災感知器を修理してくださいと逆に言われ、困りはててしまった。

 

なお、勤続18年のエレベーター点検員の私ですが、いままで火災警報を受信して現地確認する事はあっても、火災感知器誤動作の復旧をすることはありませんでした。

本来であればエレベーター会社で対応しないのですが、今回はそんな事例に対応した件を紹介したいと思います。

まずはどの火災感知器が動作しているかを確認

まずはどこの部分で火災を検出しているかを調べます。

写真では点いていませんが、実際に動作すると検知箇所のランプが点灯します。

火災報知器で1階とか2階であるとかを確認しましょう。

大体誤検出の場合は共用部分が多いです。

特に自転車置き場とかの外部が多い印象です。

冒頭で軽く紹介した事例もやっぱり自転車置き場でした。

逆に室内・店舗内の室内の警報は「ごめん、やっちゃいました!」的なことで原因がはっきりしています。

前にエレベーターの火災警報を受信して現地に向かった時は、すでに警備会社さんが到着してて、原因は聞き取り済みでした。

余談ですが、警備会社さんの到着時間はめちゃくちゃ早いです。さすが本職です!

で、どうやら何か焦がしてしまったみたいで、既に復旧も済んでました。

内容としては動作すべくして動作していたので問題なしです。

せっかく来たので、エレベーターの運行確認をして帰りました(笑)

誤動作している検知器を探す

仮に1階であった場合は1階のフロアの天井を確認します。

昔であれば煙感知器くらいしかなかったですが、最近は人感センサーも付いているので注意です。

人感センサーとは人が近づいた時に電気をつけるためのセンサーで、煙感知器は検知用の穴が開いているのが特徴です。

次に動作ランプがあるので見てみます。

こちらが実際に動作していた煙感知器ですが、日中で外が明るいと分かりづらいです。

煙感知器

・・・というより、私は動作ランプの存在を知りませんでした。

とりあえず煙感知器を全て取り外せば復旧するはずだと、駐輪場の感知器を外しますがダメ。

駐車場のを外してもダメ。

エントランスのを外してもダメ。

管理室のを外してもダメ。

階段にあるのを外してもダメ。

ならば他の場所で誤検出してるはずだと、オーナーさんにいろんなところを開けてもらいましたが見つからず。

だんだん絶望ムードが漂ってきます・・。

なんでどこを外しても復旧しないんだろ??

実はセンサーを外しただけではダメで、復旧操作も必要だったのですが、その時は思い至らず。

とりあえず元に戻そうと煙感知器を1個、1個戻復旧したところ、ランプが点灯する個体がある事に気がつきました。

こんなランプ点灯してたっけ?と他のを確認すると点いてない。

あ、これ作動ランプっぽい。

動作ランプが点灯する煙感知器をどの場所につけてもランプが点灯するので、これは間違いありません!

復旧まであと一歩、後は警報盤のリセットスイッチを押すだけ!

そういえばダメ感知器を特定するのにリセットボタン押してなかったと、ここで思い出します(遅い)

 

誤動作をしているのを見つけたら、煙感知器本体を握り、反時計周りにグリっと回すと外すことができます。

これで煙感知器の処置は完了です。

なんでこんなことを知っているかというと、エレベーター機械室にも感知器が付いているからなんです。

ほこりでも検知するので、ブロワーで機械室内を盛大に掃除すると舞ったほこりで誤検出します。

そのため清掃中は外しておくんだと、当時は教わりましたが、20年前の話ですから今じゃ戻し忘れのリスクの方がでかいですね。

火災が起きても動作しないわけですし。

そもそもカーボンを使った直流電動機も今じゃなくなり、ブロワーを使った掃除の必要もなくなりました。

ちなみに監視盤付きですと、外した段階で監視不能の警報を飛ばすのもあります。

以前、たまにはブロワーで掃除するかと煙感知器を外した数分後、現地の警備員がエレベーター機械室に駆けつけてきたことがあります!

うっかりブロワーも使えないなぁと思っていましたが、そんな昔の知識がここで生きるとは。

 

ちなみに電動ブロワーでカーボン粉を掃除すると、顔はドリフの爆発オチみたいに真っ黒になります。

当時掃除してた時はマスクを持ち歩いてる人なんていなくて、ウエスを三角にして口に巻いてました。

割烹着を着て三角巾をつけた、大掃除スタイルに似てます。

で、清掃後は顔の上下で白黒のコントラストができちゃって、カッコ悪いったらなかったです(笑)

お客さんに言って外の水道でジャブジャブ顔を洗ってから帰るのが恒例で、そういう嫌な仕事は若手が担当でしたねぇ(遠い目)

火災報知器をリセットする

煙感知器を取り外しても、まだ火災警報はリセットされません。

火災報知器のリセットボタンを押して初めて火災警報がリセットされます。

しかしこのリセットスイッチ、一見ではどこ付いているか分かりません。

その付いている場所はというと・・

火災報知器の下の部分、扉の中です。

火災報知器 閉

火災報知器 開

これがなかなか気づかない!

私もこの仕様を知らなかったため、なんで復旧できないのか分かりませんでした。

以前に誤動作させてしまった時は迷わずリセットできたと思ったんですが、機種によって違うのかな?

そもそもエレベーター会社の管轄でないので、火災報知器について知っている人も周りにいない・・。

オーナーさんと一緒にうんうんと悩みましたが、よく見ると説明書が火災報知器に同封されてました。

大体こういうのは欲しい情報がないんだよなぁと半ば諦め気味に読んで見たら、なんと答えが書いてました!

とりあえず読んでみてよかった!

ちなみにこれ以降火災警報器が気になりまして、注意して見てみると、タイプによってはここを開けて、リセットボタンを押すという説明書きが本体に書いてあることが分かりました。

うーん親切。

自分で対応したところにもこの説明書きが書かれていたら、もっと早く終わったのに。

 

夏に暑い昼下がりに起きた事象で、終わった時にはオーナーさんからお茶2本をいただきました!

問題は無事解決し、オーナーさんには感謝され、いい仕事したなーうんうん。

って、よくよく考えるとエレベーター関係なかった(笑)

 

まとめ

火災報知器を確認して、フロアを特定する。

特定したフロアで動作している煙感知器を探す。

動作ランプはうっすら点灯している事があるので、周りが明るいところでは注意して見る。

煙感知器を反時計周りに回して外す。

火災報知器の下部カバーを開けて、リセットボタンを押す。

以上です。

 

本来関わらない業務内容でしたが、いい勉強になりました。

これで万が一自分で誤動作させてしまっても安心です!

・・・いや、誤動作させたらダメですね(笑)

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